独占欲



愛しい声が僕を呼んでいる。

僕はそれに答える。

幸せな時間。

お前の声が僕を呼ぶ時、幸せを感じる時。

もっと、もっとお前を感じていたい

お前だけを感じていたい。

そんな僕は我が儘なのだろうか。





キッチンから、いい香りが漂ってくる。

今夜は未来が食事当番だった。

リビングのソファーに座っていた僕は、

何か手伝う事がないかとキッチンの入り口に向った。

キッチンでは、未来が白いエプロンを身にまとい、忙しそうに動いている。

鼻歌交じりに楽しそうに動く彼女に、声を掛けられずにいると

「お兄ちゃん、どうしたの?」

人の気配に気が付いたのか、振り返った愛しい妹、もとい恋人が、

不思議そうに首をかしげる。

「お前に見とれていたんだよ。最近、益々綺麗になったなと思って」

正直にそういうと、未来は真っ赤な顔をしてから、

ぶうっと、頬を膨らませた。

「?どうしたの?褒めてるのに」

「もぉ〜〜からかってるんでしょ!」

相変わらず、自分の事を子供だ、子供だと思っているらしい未来は、

からかわれたのだと勘違いして、拗ねたように言う。

その様が可愛らしくて、愛らしくてついつい笑みが漏れてしまった。

「そんな事ないよ」

笑いながら否定して、その絹糸のような髪に触れる。

妹だ、そう思えなくなったのはいつの頃だっただろう。

僕が12歳になった年、両親が連れてきた子供。

孤児なのだと言っていた。

僕を産んでから、身体を壊した母は二度と子供の産めない体になった。

両親の溺愛を受けて育った僕だが

やはり男の子だったからか、小学校高学年になると親離れを始めてしまい

母が寂しがり、家族で話し合って迎えたのが、未来だった。

男の子は僕がいるから、女の子が欲しいと両親が希望して連れてきた子供は

大きい目に不安を浮かべた、内気な、6歳年下の少女。

守ってあげよう。そう誓ったあの日。

彼女が唯一持ってきたオルゴールを壊してしまったあの日。

わざとではなかったけれど、正直僕は

彼女がオルゴールばかりに気を向けていたのが気に入らなかった。

それは事実。

オルゴールが壊れてしまってからの未来は、僕にとてもよく懐いてくれて

どこに行くにも『お兄ちゃん、お兄ちゃん』と

僕の後ばかりを付いて来た。

彼女を守りたかった。

彼女を傷つける全てのものが憎かった。

愛しい未来。

これが妹への気持ちじゃないと気づいてしまった時

僕は罪深い人間だ。と、自分を激しくなじった。

未来の傍にいたくて、それでも兄として僕を慕ってくれる未来を失いたくなくて

愛しい気持ちを伝えられなかった。

傍にいれば、我慢が利かなくなるから、少し距離を置いて・・・

寂しそうにしている未来に気が付いていたけれど

男として彼女を求めてしまいそうな自分が怖くて

怖がられたくなくて・・・僕は自分に嘘を付き続けた。

未来の変わりに、違う女に温もりを求めながら。

そんな僕を、未来はどういう風に思っていたのだろう

今でも怖くて訊けないでいる。

「お兄ちゃん?」

じっと見つめられて、未来が恥ずかしそうな顔をしている。

「好きだよ」

自然と口を出た言葉は、僕の正直な気持ち。

もしもあの夜、僕が未来にキスをしなかったら、

今の僕たちはありえなかったかもしれない。

兄として、僕を慕ってくれていた未来の気持ちを変えたあの夜。

寝ている彼女にキスをしてしまった夜。

ほんの少し、酒が入っていたせいもあった。

あの頃の僕は、打ち明けられない想いと

僕を男としてみてくれない未来に苛立つ気持ちとで

すでに限界を超えていたのだろう。

違う女の温もりを感じて帰ってきた夜。

未来の代わりに違う女を抱く。

それが虚しくて、辛くて、苦しくて・・・未来の顔が見たくなった。

すでに時間は深夜を回っていたし、

外から未来の部屋を見たとき、電気が消えているのを確認していた。

静かに部屋に入り、ただ彼女の寝顔を見るだけで満足するはずだった。

月明かりに照らされる彼女の寝顔は、

愛らしく、そして魅惑的で、名を呼んで起きていない事を確かめてから

吸い寄せられるように、キスをした。

触れるだけの優しいキス。

それだけで満足だったのに、彼女がびくっと動いたのだ。

その時の絶望をどう例えたらいいのだろう。

兄としての信頼すら失ってしまった行為は、それでも甘くせつなかった。

寝たふりを続ける彼女に、さらに激しいキスをして

僕の気持ちを告げてしまおうと、そう思った。

どうせ嫌われるのならば・・・と。

だが未来は嫌がらなかった、それどころか嬉しいとまでいった。

その言葉を聴いて、僕がどれだけ嬉しかったか・・・未来は知らないだろう。

でも、同時に『離れていく兄を引き止める為では』という考えが

頭を擡げて離れなくなってしまったのだ。

だから僕は、自分を踏みとどまらせた。

好きだと言ってくれる未来を、わざと突き放した。

心が裂けて、血を流すような痛みを感じはしたけれど

それでも、兄として、彼女を愛している一人の男として

彼女を傷つけることをしたくなかったから。

そうして逃げ続ける僕を、未来の真っ直ぐな瞳が捕まえたのは

しばらく経ってから。

愛しい少女は、僕の知らないうちに子供から女へと

心も身体も変わっていっていたのだった。

愛を伝える言葉は、酷く不器用で幼かった。

僕に抗うすべがあったというのだろうか。

兄妹だという関係は、すでに頭から消えて、

愛しい彼女を自分のものにした夜。

今でも夢だったのではないかと信じられなくて

何度も彼女を求めてしまう自分が、とても子供っぽく感じられる。

「も〜お兄ちゃん、なんか変だよ?」

「そうかな?・・・お前が好きでたまらないんだ」

抱きしめてキスをした。

愛しい愛しい未来。

僕の全て。

柔らかく甘い唇も、白くしなやかなその身体も。

全て僕のものだ。

誰にも渡さない。

僕たちの関係は、まだ両親にも話していないし、周りの人間も知らない。

唯一知っているとしたら、友人で相談相手だった吾妻木くらいだ。

未来との話を吾妻木にしたら

『あーはいはい、よかったわね。あのねぇ、独り者の前でのろけないでくれる』

と、毎回笑われてしまう。

のろけているつもりはないのだが、どうしてもそうなってしまうのかもしれない。

未来は知らないだろう、僕が彼女の行動や言葉ひとつで

幸せにもなり、不安にもなる事を。

「愛してるよ」

愛しい彼女の耳元で囁くと、かかった吐息で感じてしまったのか

彼女の身体が、ぶるっと震えた。

それは、僕の劣情を煽るのに十分な動きだった。

可愛らしい耳に唇を這わせる。

弄るように舌でなぞって動かすと、未来の身体はさらに震えた。

「やぁん、お兄ちゃん・・・」

「・・・ヤなの?」

少し身体を離して、未来を覗き込む。

そうすると、未来は僕に逆らえないのを知ってる。

僕の未来・・・僕は、何でも未来の事を知っているんだ。

未来の全てを知りたくて、理解してやりたくて

僕は彼女を観察するようにして、いつも見ているから。

本当に、我ながらどうかしていると思う。

6つも年下の彼女に翻弄されて、狂っている。

「ヤじゃない・・・けど・・・」

「そう」

未来の了承を得て、僕はさらに彼女を弄る。

耳から、首筋へ唇を這うようにして移動させ、

胸元までたどる。

襟の開いた服を着ているから、そこにキスしやすい。

後ろで結んでいるエプロンのリボンを解いてから、

シャツの下から手を差し入れて、下着越しに胸を愛撫すると

未来が身を捩った。

「だめだよぉ。ここキッチンだよ、お兄ちゃん」

抗議の声を上げられても、もう止められない。

「じゃあ、向こうに行こうか」

未来の腰を抱いて、リビングへ移動しようとする。

その間も僕は彼女の首筋にキスを繰り返す。

感じやすい未来のことだ、すでに身体は火照り始めているだろう。

「あの、だ、だって・・・ご飯作ってる途中だし・・・」

「だーめ。ご飯なんて後でいいさ」

なおも抵抗しようとする未来を、ほぼ無理やり抱きかかえて

リビングのソファーに座らせた。

「お前を抱きたくてたまらない、抱かせて」

ゆっくりと唇を重ねた。

舌で唇を撫でて、開かせ、柔らかく甘美な濡れた舌を探り当ててからめる。

「んっ・・・ふぅ・・・・」

熱い吐息が僕を狂わせる。

深く、深く、彼女の口内を弄ると、

未来の身体から徐々に力が抜けていくのが分かった。

僕だけを感じればいい。

僕に全てをゆだねてくれればいい。

そうしてくれたのなら、全ての快楽を彼女に与えてあげよう。

僕に狂って、僕の傍から離れられないようにしてあげよう。

僕が未来にそうであるように。

唇を離すと、互いの唾液でできた銀色に光る糸が僕らを繋げた。

名残を惜しむ僕の心のようなそれを、指でからめ取る。

そのしぐさをみて、未来が真っ赤な顔をしていた。

「どうしたの?」

「な、なんでもない」

下を向いて首を横に振る。

恥ずかしいのだろう、こういう初々しいところは、

何度肌を重ねても変わらない。

本当に可愛い。

シャツをめくって、上に引き抜くと、彼女の絹糸のような髪が

ふんわりと風に舞った。

さらさらと肩から胸に掛けてながれる髪。

「こ、ここでする・・・の?」

今まで僕は、ベッド以外の場所で未来を抱いた事は無い。

だから、戸惑ったのだろう。

リビングのソファーの上で脱がされて、

誰もいないのはわかっているだろうに、きょろきょろと周りを見渡す。

「ここで、するの。逃がさないよ」

背中に手を回して、ブラのホックを外し腕から引き抜くと

形のいい白い胸があらわになる。

「やん、ここ明るいもん。だめ」

胸を隠そうとする未来の腕を掴んで、微笑む。

「隠さないで、僕にちゃんと見せて」

「だってーーは、恥ずかしいよ」

拘束から逃れようと未来が身体を捩るたびに、

白く柔らかそうなふくらみが、僕を誘うように揺れた。

淡く色づいた先端部分は、彼女の言葉とは裏腹に

すでに硬くなっている。

「こんなに綺麗なのに、隠さないで」

両手で彼女を拘束したまま、柔らかい胸に唇をはわせた。

きつく吸うと、白い肌に赤い痕が花の様に散る。

それが、僕のものである証のようで、とても嬉しかった。

先端を唇で噛み、舌で転がすと未来はすでに抵抗する力を失う。

「あ・・・んっ・・・お、にいちゃん・・・」

息が揚がって、艶のある吐息を漏らし始めた。

拘束を解き、手を離しても、未来の腕はだらりとソファーに落ちて行くだけだ。

開いた手でもう片方の胸を触る。

弾力のある柔らかい肌の感触。

熱い吐息が僕の頬をなで、欲望を昂ぶらせる。

スカートの中に手を忍び込ませて、下着越しに彼女の中心をなぞった。

すでに濡れているのが下着越しでも十分、分かる。

焦らすように、濡れた箇所を何度も指で往復すると

さらに濡れてくるのが感じられた。

「随分濡れてるね、感じてくれているのかな」

意地悪っぽく笑うと、今まで目を閉じて快楽に身を投じていた未来が

僕を睨んだ。

その様も愛らしくて、本当に可愛い。

つい虐めてしまいたくなる。

「こんなに濡れて、未来はえっちな子だ」

「うぅぅぅぅーーーーお兄ちゃんのばかぁ」

恥ずかしさに目に涙を浮かべた未来は、壮絶に色っぽかった。

こんな顔が見れるなんて、本当に夢のようだよ。

「えっちな子の方がうれしいよ。僕で感じてくれてるんだなって思えるから

でもね、そんな顔他の男に見せちゃだめだよ」

「見せるわけないよぉ、お兄ちゃんの意地悪ぅ」

軽くキスをして、下着を少しずらして直に触れる。

柔らかい肉と蜜が僕の指を包み、何の抵抗もなく指を侵入させる事が出来た。

「ひゃぁ・・・あぅ・・・」

熱い。

ぬぷっという水音を立てて侵入させた指を動かし、内壁をかく。

何度も僕を迎え入れたそこは、未だにきつく僕の指ですら締め付ける。

もう少し広げないと、とても中には入れない。

指で円を描くように動かしながら、浅く深く出し入れすると

未来の腕が僕を抱きしめた。

「やぁ・・・お兄ちゃん・・・・おね、がい」

「どうしたの?」

入れたままの指の動きをとめた。動かしたままでは、未来がまともに話せないから。

「あ・・・わ、私だけ裸じゃ、やだ」

動かしていないのに感じているのか、息も絶え絶えの訴え。

まだ服を着たままの僕の肩を掴み、涙で滲んだ瞳がねだる。

「未来だって、裸じゃないよ」

スカートをつまんで見せると、未来の目から涙がこぼれる。

「やだぁ・・・寂しいよ・・・」

「・・・ごめん」

ああ、もう・・・なんて可愛いんだろう。

僕はもう、未来意外の女性を抱きたいとは思わないだろう。

愛しすぎて笑みが漏れる。

彼女は僕だけのものだ。

可愛らしい涙に唇を這わせて、指を抜いて身体を離す。

抜いた衝撃に未来が身体を振るわせた。

服を脱いで投げ捨てる。

「これで、いい?」

僕の問いに、無言で微笑み両腕を掲げてきたので、

その腕の中に引き寄せられるようにして抱きしめてキスをする。

「未来も、脱いでしまおうね」

スカートのホックを外しファスナーを下ろすと同時に、

未来が腰を浮かしてくれたので、すんなりと脱がす事が出来た。

ふっと目をやると、魅惑的な秘所の下、ソファーに彼女の蜜が

水溜りを作っているのが目に付いた。

革張りのソファーだし、後で拭けば大丈夫だろう。

そんな事よりも、これほど彼女が感じてくれている事が嬉しい。

彼女の足の間に自分の身体を忍び込ませる。

ソファーに座っている彼女の胸が、膝立ちをしている僕の丁度目の前にあった。

そのふくらみにもう一度キスをして、両手で優しく揉みあげる。

「あ・・・んん」

身体をくねらせるが、僕の身体とソファーに挟まれ逃げる事が出来ず

さらに身を捩る。

「逃がさない、もっと僕で感じさせてあげる」

指をもう一度、彼女の秘所にあてがって

ゆっくりと胎内に埋めていく。

「・・・う・・・はぁ・・・」

僕の肩を掴む未来の手が震えている。

「ひゃぁ!あ、ヤ・・・あん」

指を増やして中を激しくかき乱すと、未来は悲鳴のような声を上げた。

がくがくと震える体で、羞恥に首をふる彼女。

僕だけのもの、僕しか知らない未来。

感情のままに、僕は未来を煽った。

わざと厭らしい水音を立てながら。

「ああ・・・も、ダメ・・・・おにいちゃん・・・・・・・・ぃやんっ!」

激しい声を上げた瞬間、未来の身体が仰け反った。

足の指の先まで、ぴんと張り詰めて、一気の脱力する。

イッてしまったのだ。

満足して指を引き出し、未来のおでこにキスをした。

「ほんとに、可愛いよ。お前は」

まどろみの中にいる彼女は、それでもとろんとした目を開いて微笑んだ。

熱い吐息を含んだ浅い息が、口から漏れている。

「・・・・だいすき・・・・・・・」

無邪気で、そして妖艶な笑顔。

ああ、お前のためならなんだってしてやろう。

僕の全てはお前のものだ。

指を濡らす甘い蜜を舐め取って、未来の膝を抱える。

濡れたそこに自分自身をあてがって、一気に貫く。

「やぁ・・・んんっ・・・・」

さっきイッてしまったそこは、何の抵抗もなく僕を飲み込んだ。

だが、まだキツイ。

「・・・お前の中、温かいよ。とっても気持ちいい」

「あ・・・ん・・・お、にいちゃん」

桜色に上気した肌が艶かしい。

こうして未来を抱いている時だけ、僕は安心できた。

どんどん綺麗になっていく未来が、いつか離れていってしまうのではない

そんな不安に苛まれている僕を、自分で情けないと思う。

だが、肌を重ねている瞬間だけは、未来は僕だけのものだ。

こうして中に入っているだけでも、気持ちよすぎて果ててしまいそうになる。

彼女の表情が、彼女の息遣いが、僕を支配して溶かす。

ああ、未来・・・お前をこのまま抱いていたい。

ずっと、ずっと、朝も昼も夜も。

欲望のままに腰を動かす。

何度も抱いているうちに、未来も自分から動けるようになっている。

はじめのうちは、僕にされるがままだった彼女も

すでに僕を感じさせる術を身に着けていた。

すぐにでも果ててしまいたい衝動を抑え、未来が昇りつめるように

彼女の弱いところをせめた。

唇で、頬や首筋、柔らかなふくらみを舐め吸う。

所有の証を彼女の白い肌に散らしては、なぞる。

「愛してるよ・・・ぼくの未来・・・」

「あーっ、やあん、あっああ・・・・おに・・・いち・・・ゃん」

お兄ちゃんか・・・こんなときくらい、名前で呼んで欲しい。

なんだかいけない事をしているような気がしてくる。

「お兄ちゃんは、禁止・・・名前で呼んでよ」

「えっ・・・?あ、あん!だめ、あっ」

僕の言葉を聴く余裕も無く、未来は昇りつめていく。

僕のほうもすでに限界が来ていた。

仕方が無い、今は諦めるとしよう。

動きをはやめ、激しく腰を打ち付ける。

ぐじゅぐじゅと卑猥な水音が部屋中に広がる。

「やん、おに・・・い・・・」

今はこれ以上『お兄ちゃんと』呼ばれたくなくて、

彼女の唇を唇でふさいだ。

「うっ・・・ううっ」

塞がれた唇から吐息が漏れる。

はげしく貪ってから限界を感じて離れた。

「ん、あっーーー・・・・ひゃぁ!」

未来が絶頂を迎えた瞬間、僕自身を引き抜く。

紅く上気した肌に、僕の欲望がほとばしった。

「・・・ごめん、汚しちゃった」

荒い息を収めながら、そばにあったティッシュでそれをふき取る。

絶頂を迎えたばかりの未来は、その感触にさえびくりっと身体を振るわせる。

普段ならば絶対に抵抗するであろう行為も

今の彼女には抵抗する事ができない。

それならば、と悪戯心に火をつけられて、ティッシュで彼女の秘部をぬぐった。

「やん、お兄ちゃんのバカ・・・やめてぇ」

柔らかい刺激でも、びくびくと身体を振るわせ快感に身を捩る。

「拭いても拭いても溢れてきちゃうね」

意地悪く微笑むと、未来は涙を浮かべて抗議してきた。

「意地悪ぅ・・・ばかぁ・・・」

右手が僕の胸を叩くが、力の入っていないそれで叩かれても

痛くもなんともない。

もう一度、抱いてしまおうか。

そう考えた時、何か焦げ臭い匂いが鼻に付いた。

「あれ?焦げ臭い・・・」

「ああああああーーーーーーーー肉じゃがぁぁぁぁ」

未来は叫ぶ。

が、起き上がれない。

起き上がろうとして、ふにゃふにゃとソファーに倒れこんだ。

「僕がいくよ」

可愛らしい頬にキスをして、立ち上がれない未来の代わりに

キッチンへ駆け込んだ。

コンロの上には、弱火で煮込まれていたらしい肉じゃがの残骸があった。





「だから、ごめんって、まだ火を使ってたなんて知らなかったんだよ」

僕らの目の前には、たったいま届いたばかりの

出前の寿司がある。

「ほら、寿司好きだろ。今日はこれで我慢」

「肉じゃが・・・・」

口を尖らせたまま、未来はつぶやく。

さっき抱いていた女と同じ人物とは思えないくらい

こどもっぽい表情をしている。

そんなところも、また可愛いのだけれど

「未来、許してくれないの?」

首をかしげて覗きこむと、未来は悲しそうな顔をした。

「お兄ちゃんに食べてもらおうと思って、一生懸命作ったのに」

涙を浮かべている。

本当に悪い事をした。

「うん、ごめん。また作ってくれる?」

「・・・いいけど・・・おにいちゃん、これからは私が食事当番の時

キッチンに入ってくるの禁止だからね!」

「なんで?」

「・・・・・・襲われるから」

しごく真面目な表情でいわれると、おかしくて笑いがこみ上げてきた。

「もーーーなんで笑うのぉ!」

「ご、ごめん、ごめん。だってお前があんまり可愛いもんだから」

「答えになってなーーーい!」

拗ねる唇にキスを落とす。

「お前が可愛いと、僕はお前が欲しくなってしまう。

僕だけのものにしたくて、たまらなくなるんだ」

「私は、お兄ちゃんのものだよ?」

不思議そうに首をかしげる未来は、愛らしくそして憎らしい。

僕がこんなにお前に狂っているのを、お前は知らないから。

だから、そんな事が言えるんだろう。

どれだけ愛の言葉を囁かれても、その肌に触れたい衝動は抑えられないのに。

「うん、お前は僕だけのものだ。愛してるよ」

お前も僕に狂って欲しい。

この愛がお前に重荷に思われないよう・・・・

愛してる。僕の・・・僕だけの未来。




                                             【了】
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うっひゃっひゃっひゃ!兄「翔馬と化す!」(爆
またやっちまったい!今度は前よりエロが長いぞ!
だから言ったの・・・兄の視点で書くと怖いって(TT)
あうあう・・・お兄ちゃん・・・こわい・・・(笑)
どうでもいいが、私は話を書くとき
その人物になりきれると、とてもスムーズに話が進む。
今回、マジで兄になりきった(汗
なんか、おいらが未来ちゃんを襲ってる気分だよ(ヘコ
しかし、私の書く兄は、どうしてこう暗いんだ・・・
両思いなんだから、もっと幸せ満喫しようよ!!(笑)






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