「して」




「本当に・・・いいの?」
私を抱きかかえたまま、お兄ちゃんが言った。
聞いた事がないくらい、熱のこもった優しい囁き。
見た事が無い、熱いまなざし。
とかされそうになる。
私は溶けていく。
「・・・・して」
それだけしか言えなかった。
お兄ちゃんのものになりたかった。
お兄ちゃんの事しか、考えられない。
お兄ちゃんが好き。
誰よりも好き。
世界で一番愛してる。
お兄ちゃんの唇が私の唇に重なる。
なぞるように動くそれに、私は幸せを感じた。




鏡に映っているのは、
痩せすぎもせず、太りすぎでもない普通の身体。
胸も最近大きくなってきたと思う。
色は白いほうだし、顔も・・・
「ん〜そんなに悪くは無い・・・よね」
私はまだまだ子供で、お兄ちゃんには妹としか思われてない。
そんなの分かってる。
本人の口から聞いたんだから。
でも、ずっとずっと考えてた。
『家族だからだよ』
って、お兄ちゃんの言葉。
私だって、あれから色々考えたけど、それでも
お兄ちゃんを好きって気持ちは変わらなかった。
多分、男の人として好き。
あのキスが嬉しかったのだって、お兄ちゃんだったから。
私は間違ってるのかな。
私の間違った告白を、お兄ちゃんなら、忘れてくれるって思ってた
だけど、あれからお兄ちゃんは益々私から離れていった気がする。
寂しいけど、だけど、自分でやってしまった行動だから仕方ないのかな。
お兄ちゃん、私寂しいよ。




「もう、桜の季節だね」
今日は久しぶりにお兄ちゃんとお出かけ。
って言っても、私の高校の荷物を取りに行ったから。
一人じゃ持ちきれないって、お願いしたら付いてきてくれた。
すごく嬉しい。
こうやって並んで歩く事なんて、最近は滅多に無かったから。
お兄ちゃんも私も忙しかったから、って理由だけど
でも知ってる。
お兄ちゃんが私を避けていたんだよね。
住宅地を歩いていると、桜の花びらが飛んできた。
ふわふわ舞った花びらが、お兄ちゃんの傍を流れるように飛んでいく。
その風が、男の人にしてはちょっと長い髪をやんわりと乱した。
綺麗な男の人。
ずっと思ってる。
大好きな人。
でも、私の気持ちは間違ってるって、
お兄ちゃんが言ってたから、口には出せない。
苦しいよ・・・
「そうだね、今年もあの丘に花見に行こうか」
柔らかく優しい声が響く。
大好きな声。
私とお兄ちゃんの特別な場所へ行こう。
「うん、楽しみ」
妹としてでもいいから、だから傍にいて欲しい。
そんなの我がままだけど、
お兄ちゃんが私の気持ちに迷惑してるの、分かってるけど、
でも、好きなの。傍にいたい。
だから、お父さんたちにもついていかなかった。
大学の近くに住みたいお兄ちゃん。
私は邪魔だよね。
「ねえ、お兄ちゃん。お父さんたちは今度いつ帰ってこれるかな?」
誰にも邪魔されない2人きりの時間。
お父さんもお母さんも大好きだけど、お兄ちゃんとの時間がもっと大事。
私が高校を出るまでの執行猶予。
それまでは、お兄ちゃんは傍にいてくれる。
「お前の入学式には、間に合わないって言ってたからね。
帰ってこれるとしても、5月あたりじゃないかな」
「そっか、そんなに先なんだ」
「僕が居るよ」
なんとなく呟いたら、お兄ちゃんは優しく笑ってくれた。
そうだね、私が高校を卒業するまでって約束してたもんね。
ねえ、お兄ちゃん。
私このままがいいよ、今時が止まってしまえばいいと思うよ。
妹としてしかみてくれなくても、
今はまだお兄ちゃんを独り占めできるから。
お兄ちゃんが離れて行っちゃうなんて、考えたくないよ。
お兄ちゃんの手が、頭を撫でてくれる。
すごく久しぶりで、嬉しい。
大きな手・・・優しい手・・・
でも、私のものじゃない手。
切ないよ・・・お兄ちゃん。




いつまでたっても眠れない。
布団に寝転んで、ずっと考えてた。
昼間、お兄ちゃんが言った言葉。
『お前の結婚式で泣いてしまうよ』
結婚式・・・ひどいなぁお兄ちゃん。
私がお兄ちゃんの事好きだって知ってるくせに。
忘れてしまったのかな。
晩御飯の時も、高校の話になったりしたけど
どんどん大人になっていくんだね。ってお父さんみたいな事いってた
やっぱり私は子供で、お兄ちゃんは大人なんだ。
忘れて欲しい、でも忘れて欲しくない。
私の告白。
すごくどきどきしてた。
すごく勇気が必要だった。
お兄ちゃんから香水の匂いがした時、とっても悔しかったの。
私のものだって、私だけのお兄ちゃんだって思ってたの。
キスしてくれた時も、私の名前を呼んでくれたよね・・・
酔ってたなんて、信じたくないよ。
なんだか、私一人が空回りしてるみたいで、
虚しくなって、自分が子供だって嫌でもわかってしまう。
どうしても眠れなくて、起き上がって、窓を開けた。
春だけど、まだ夜風は冷たい。
部屋の中にひんやりした空気と、桜の花びらが入ってくる。
横を見ると、お兄ちゃんの部屋の窓も開いていて、
カーテン越しの薄暗い明かりが漏れていてた。
風にカーテンが揺れると、話し声が聴こえてくる。
「・・・薫しかいないんだよ」
聞き取り辛かったのに、その言葉だけがやけにはっきり聞こえた。
薫って誰?
恋人が居ないなんて、やっぱり嘘だったんだ。
カッとお腹の奥からでてきたような、怒りがこみ上げてくる。
こんなのおかしいなんて、分かってるよ。
妹なんだから、こんなことで怒るのはおかしいって・・・
でも、私の中にあるもやもやは止められない。
お兄ちゃんの部屋へすぐ行こうとして、
壁にかけてある制服が目に付いた。
『やっぱり、高校の制服だと大人びて見えるな』
お兄ちゃんが晩御飯の時に言った言葉を思い出して、
考えるよりも先に、手が動く。
私は、壁にあった制服を取って、すぐに着替えた。
今から自分がやろうとしているのは、
妹っていう位置からも突き落とされるかもしれない行為。
お兄ちゃんは、高校を出るまでって約束をやぶって
出て行ってしまうかもしれない。
だけど、こんなのいや。
私の気持ちを忘れられたまま、お兄ちゃんが誰かと恋人になるなんて
そんなの絶対に許せない。
はやる気持ちを抑えて、お兄ちゃんの部屋の前に立って、深呼吸する。
震える手を強く握ってから、コンコンっとノックした。
「お兄ちゃん?起きてる?」
「あ、ああ。ちょっと待って・・・いいよ、入っておいで」
しばらく間を置いて、お兄ちゃんの許しが出たのから
ドアを開けて部屋に入った。
電話、切ったのかな・・・うれしいような、悔しいような気持ち
「話し声がしたけど・・・電話中?」
知っているくせに、私はわざとらしく聞いた。
「いや、今切ったところ・・・あれ?また着たの?」
制服姿に驚いたのか、お兄ちゃんの目がまんまるになる。
ねえ、お兄ちゃん・・・少しは大人っぽくなったよね。
「うん・・・ねえ、電話。女の人?」
「ああ、友達。最近忙しいみたいだから、激励をね」
嘘つき、恋人でしょ・・・最近どんどん嘘つきになるね。
本当は未来の傍から離れたいくせに、傍に居るって言う。
恋人がいるくせに、居ないって言う。
「ふ〜ん・・・」
知らないふりって、結構悲しいよね。
心臓がびっくりして止まるんじゃないかってくらい
私はどきどきしていた。
それでも、お兄ちゃんに気持ちを伝えたい衝動が胸を占める。
私はためらいもせずに、ベッドに座っているお兄ちゃんの
足の上に横向きで座った。
「未来・・・子供じゃないんだから・・・」
少し驚いて、お兄ちゃんの手が私をどけようとした。
でも、どいてあげない。
そうだよ、お兄ちゃん。私子供じゃない。
妹なんかじゃない。
上半身だけお兄ちゃんと向き合って、その首に腕を絡めた。
「お兄ちゃん、恋人居るの?」
「居ないよ・・・未来、どきなさい」
居ないって言った・・・嘘つき。嘘つき!
居るって言ってくれたら、正直に言ってくれたら
妹に戻ろうって思ってた。
嫌だけど、苦しいけど、戻ろうと思ってたの。
我慢しようって、思ってたのに・・・・
「どかない!」
もう止まらないよ。
「ねえ、お兄ちゃん。未来は少しは大人になった?
高校の制服を着て、少しは大人になった?」
「未来・・・?」
何を言われてるのかわからない、って顔でお兄ちゃんは首をかしげた。
「私・・・私ね・・・お兄ちゃんが好きなの。
ずっとずっと、この間告白した時から考えてた。
でもやっぱり、お兄ちゃんの事男の人として好き」
恋人がいたとしても、もう妹だとは思われたくない。
女の子として見てよ。
無理やり強引にキスをする。
お兄ちゃんは固まったまま動かない。
びっくりしたよね。
唇を離した後も、お兄ちゃんの柔らかい唇の感触が残ってる。
「家族だからとか、そんなんじゃなくて・・・お兄ちゃんを愛してる。
だけど・・・やっぱり・・・私は間違ってるの?
お兄ちゃんが誰よりも好き。他の人なんていらない
お兄ちゃんにとって、私はただの妹かもしれないけど・・・だけど」
私はお兄ちゃんを愛してる。
そう言おうと思ったのに、言葉に詰まってしまった。
目が熱くなって、鼻の奥がツンっとする。
言わなきゃいけないのに、伝えなきゃいけないのに。
言葉が出てこない。
泣き出してしまった私を見て呆れたのか
お兄ちゃんがため息をついた。
「・・・間違ってるのは、僕のほうだ。僕もお前が好きだ。
ずっとずっと好きだった。もう随分前からお前の事を一人の女の子としてみていた」
予想もしていなかった言葉に、耳を疑った。
でも驚いている暇もなく、私はお兄ちゃんに引き寄せられる。
唇がふれた。何度も。
軽く、強く。
ゆっくりと口の中に侵入してくる、温かい何か。
お兄ちゃんの舌だと気づく前に、頭の芯がぼうっとしてくる。
お兄ちゃんが私を好きだって言ってくれた。
女の子としてみていたって、言ってくれた。
離れていく唇が寂しくて、お兄ちゃんを見た。
ちょっと目を細めて、辛そうな顔をしてる。
「お前は僕を兄として慕っているのかもしれない・・・」
そんな事無い!絶対無い。
「そんなことない!」
「うん・・・でも、未来。聞いて。僕はね、もうお前を妹なんて思えない。
今お前をこの手にしてしまったら、僕はもうお前を離せない。
それでも・・・いいかい?お前がもし、兄としてしか見れないて
そう気が付いたとしても、もう遅いんだよ?」
すごく、すっごく嬉しかった。
涙が出てきて、上手く笑えたかわから無いけど私は必死で笑顔を作る。
「もう遅いよ・・・私、お兄ちゃんの事、男の人として好きだって言ったもん」
離さないで、傍に居させて。
お兄ちゃんに抱き寄せられて気が付いた。
お兄ちゃんも私に負けないくらいドキドキしてる。
心臓の音うるさいね。
「お兄ちゃん、どきどきしてる」
「してるさ、お前をこうして抱きしめる夢を
何度見たと思ってるんだ。それが現実になったんだからどきどきするよ」
「うれしい」
本当かな、夢じゃないかな。
欲しかった言葉。
嬉しくて、また泣きそうだよ。
「でも、この状況はちょっとやばいな・・・ほら、降りて未来」
とても心地よかった身体が急に引き離された。
どうして?
「やだーなんで?」
お兄ちゃんが、困ったように笑う。
「僕だって男だからね。こんな体勢だと、
キス以上の事をしたくなってしまうよ、お前の全てがほしくなる。
そんな事言われても、困るだろ」
キス以上・・・そんな事考えてなかった。
やっぱりお兄ちゃんって、大人の男の人なんだ。
怖い・・・ううん。嬉しいの。
お兄ちゃんに触れている手をギュッと握って、首を横に振った。
離れたくない。
「・・・未来?」
心臓の音がうるさくて、お兄ちゃんの声が聞き取りづらい。
「私、嬉しい。お兄ちゃんが本当にちゃんと、女の子として
好きで居てくれるって・・・そう感じるから、嬉しいの
・・だから、困らない・・よ」
恥ずかしくて、嬉しくて、お兄ちゃんの顔がまともに見れない。
だけど、本当に嬉しいの。
「・・・かわいい事いうね。そんな事言ったら、止まらなくなるじゃないか」
お兄ちゃんは笑って、私をまた抱きしめてくれた。
「止まらなくていいよ・・・お兄ちゃんのものになりたいもん」
一瞬だけ、抱きしめられた腕に力がこもった。
息苦しくなるくらい強い力。
男の人の力。
「愛しているよ・・・未来。お前の全てを僕にくれるかい?」
私が頷いたのと同時に腕が緩んだ。
お兄ちゃんの指が私の顎に触れて、導かれるようにキスをする。
何度も優しく触れだけのキス。
それなのに、私の中はお兄ちゃんでいっぱいになっていく。
「愛しているよ」
キスをされながら囁かれて、私の身体はぶるっと震える。
くすぐったいのとも違う、今まで感じた事の無い感覚。
「本当に・・・いいの?」
優しい声が私を溶かして、優しい瞳が私を消していく。
お兄ちゃんだけが私の全てになる。
だから、私をお兄ちゃんのものにして欲しい。
「・・・して」
自分の口から出てるなんて思えない、甘い声に自分でも驚いた。
私はそのままベッドにゆっくりと寝かされて
私の頭を両腕で挟み込むようにして、お兄ちゃんの顔が近づいてきた。
その瞳には私しか映ってなくて、目が離せない。
「目、閉じないとキスできないよ」
甘い囁きに、私はびっくりして目を閉じる。
くすっと笑うと、お兄ちゃんの唇が私に触れた。
オデコや頬、唇、顔中にキスが降って来る。
くすぐったいような、甘い感覚が私の身体を痺れさせる。
「ほんとに、夢を見ているみたいだ」
熱い吐息が頬をなで、私の心臓は爆発寸前だった。
「それは、私のセリフだよ〜。お兄ちゃん、恋人がいると思ってたもん
私の事なんて、妹としてしか見てくれないんだって」
「ずっと前から、妹としてなんて見てないよ」
くすくす笑うお兄ちゃんは、でもいつもの顔と違ってて
知らない人みたいだ。
「私が告白した時は、妹だって言ってたくせにー」
何だか悔しくて、私は唇を尖らす。
その唇にお兄ちゃんの唇が、また優しく触れた。
「うん、信じられなかったんだ・・・そんな事あるはず無いって
兄としてしか見られてないと思ってたから。
信じられなかった」
「今は?今も信じられない?」
不安が胸に広がる。
私は目の前のこの人を愛してるのに。
「信じる・・・よ。信じたい。お前を愛しているからね」
「キャッ・・・・・」
言葉と同時にお兄ちゃんの大きな手が、私の胸に触れる。
ブラ越しにだけど・・・いつの間にか制服のブラウスのボタンが
全部外されていた。
「緊張してる?心臓、すごく早く動いてる」
「うううーーー」
「・・・怖いのか?」
お兄ちゃんが少し不安そうに聞いてくる。
少しだけ怖い。
でも、お兄ちゃんだから嬉しい。
無言で首を横に振ると、お兄ちゃんの唇が私の首筋を撫でた。
きつく吸われて驚いて仰け反った瞬間
お兄ちゃんの腕が背中に回って、ブラのホックを外したのか、
ふわっとした開放感を背中に感じた。
何だか、手馴れてる。
「・・・うぅー・・・」
「・・?どうしたの?」
「・・・お兄ちゃん、慣れてるね」
私だけがドキドキしてるみたいで悔しい。
「そんなことないよ」
「嘘・・・」
「信じない?」
こちらを伺う瞳は、澄んでいて、信じないなんて言えなくなってしまう。
「お前以上に好きになれる相手なんていなかった。
ほら、僕もお前に触れて緊張してるんだよ」
私の手を取って、自分の心臓の位置まで持っていく。
私と同じくらいどきどきしてる。
「好きだよ・・・」
囁かれた言葉を信じたい。
背中に回された腕が、私の身体を引き寄せる。
浮かされた背中から、ブラウスとブラが引き剥がされた。
露わになってしまった胸を隠そうとしたら、
お兄ちゃんの手が私の腕を掴んだ。
「ほら、隠さないで」
手首を掴まれて、ベッドに押し付けられる。
優しい拘束だった。
スカートのホックも外されて、私の体を覆っていた服が
一枚、また一枚と脱がされていく。
その間も、お兄ちゃんの唇は私の頬や唇、首筋や胸の辺りを彷徨い続ける。
ショーツ一枚の姿にされて、恥ずかしくて死んでしまいそう。
今まで感じていた温もりが、不意に離れていく。
お兄ちゃんはベッドの端に座って、私を眺めていた。
「綺麗、だね」
お兄ちゃんの顔をまともに見れなくて、ギュッと目をつぶる。
「未来?」
名前を呼ばれて、薄く目を開いて横目で見ると
いつの間にか裸になったお兄ちゃんが傍にいた。
滑らかな上半身、下は恥ずかしすぎて見れない。
「ほら、僕も裸。恥ずかしくないだろ?」
「よ、よけい恥ずかしいよぉぉ」
上ずった声の私を、お兄ちゃんは楽しそうに笑った。
「大丈夫。お兄ちゃんを信じなさい」
ギシッとベッドのスプリングがなり、お兄ちゃんが近づいてくる気配を感じる。
お兄ちゃんの大きな手が私の頬を覆い、撫でていく。
唇に触れられピクッとしてしまう。
恥ずかしくて、目を開けることが出来ない。
「好きだよ・・・」
唇に温かいものがあたって、私を溶かしていく。
吐息さえも奪われるように、キスされて、もう何も考えられない。
お兄ちゃんのくれる快感だけが、私の全てになる。
「私も・・・大好き」
言葉がお兄ちゃんに届いたかはわからない。
だけど、伝えたかった。
お兄ちゃんの柔らかい唇が、少しずつ移動して、
首筋を舐められたり、吸われたりした。
そのたびに、痺れるような感覚が体中を刺激される。
「んっ・・・」
無意識にその快感から逃れようと身体をくねらせたけど
お兄ちゃんの腕がそれを許さない。
首の後ろから肩に手を回され、開いた方の手が私の胸を刺激する。
円を描いていくように、優しく。
「あ・・・っ・・・や・・・」
片方の胸を手が、残ったほうを口が刺激してくる。
お兄ちゃんが吐く熱い息が、私の身体を支配していく。
どろどろに溶けていく意識が、それでもお兄ちゃんを求めた。
私の身体を自在に翻弄していく手と唇。
その指が、下腹部を這う。
私の中心をショーツ越しになでられた。
割れ目を沿うようにして動く指に与えられるぴりぴりとした、痛みにも似た快感。
こんなの感じた事がない。
「ひゃ・・ん」
「濡れてる・・・ごめん、脱がしてなかったから汚れてしまったね」
「やだ・・・そんなこと言わないで」
お兄ちゃんは意地悪な笑みを浮かべてる。
腰とショーツの間に指が入れられて、するすると下ろされていく。
全部脱がされて、私は生まれたままの姿になった。
「ちょっと、足開いて」
その言葉に従うと、足の間に、お兄ちゃんの足が入ってきて
さらに大きく広げられた。
「や・・・ダメ・・・」
「なんで?僕に未来を見せてよ。ほら、綺麗だ」
私のものではない指が、今まで触った事の無い蕾刺激する。
「やあ・・・ああ・・・ん・・・はぁ」
体ががくがく震えるのを止められない。
恥ずかしくて目を閉じていると、次にくる刺激が想像もできなくて
快楽だけが私の全ての感覚になる。
「未来、目を開けて。僕が今、お前にしている事を見て
お兄ちゃんじゃない、僕を感じて」
言われるままに目を開けると、お兄ちゃんの優しい顔が見える。
目が合うと、嬉しそうに微笑んでくれた。
「可愛いよ、未来・・・僕の未来」
頭を撫でられて、気持ちよくて目を閉じたら、今度はぬちゃりという感覚が中心を襲った。
指じゃない・・・
「だめ、そんなとこ・・・汚い・・・」
必死で止めようと思って身体を起こそうとしたけど、そこからの快楽は
さっきまでと全然違って、全身に力がはいらなかった。
「汚くなんか無いよ」
お兄ちゃんの舌が私の中に押し入ってくる。それは不快なものじゃなくて
むしろ激しい快感を呼んだ。
「はあ・・・ああ・・・」
自分のものだなんて、絶対信じられ無い高くて震える声が口から出る。
ぴちゃぴちゃと水音と、喘ぎ声が部屋に響いてる。
「おかしくなっちゃう・・・ダメ・・・おに・・い・・・ちゃん・・・ああ」
「大丈夫だよ・・・僕がいるから」
囁く吐息が、熱くて・・・また私を刺激する。
体が自分の物じゃないみたいに熱い。
ぼうっとして、何も考えられない。
心臓が爆発してしまったんじゃないかって思えるくらい、体中が血液でみたされて
膨張しているような不思議な感覚。
「ああ・・・やっ・・・」
瞬間、頭が真っ白になった。
体が浮いて飛んでいってしまうような・・・足のつま先までぴんっと張って
私の身体は仰け反った・・・甘い痺れと脱力感が押し寄せてくる。
「イッちゃった?」
私の蜜で濡れた口元を手の甲で拭いながら、お兄ちゃんが悪戯っぽく笑ってる。
イッたと言われても、分からない。
世界が真っ白になった・・・わかるのはそれだけ。
でも呼吸が荒くて、上手く説明できない。
ぼうっとしている私にお兄ちゃんがキスをしてくれた。
とても嬉しくて、幸せでふわふわした意識の中まどろんでいると
下半身に何か違和感が感じられた。
「うん・・・これなら大丈夫そうだね」
お兄ちゃんの指が私の中に入ってる。
痛くはなかった、ただ何だか違和感を感じただけ
指をゆっくりと出し入れされて、私はまた知らない快感を与えられた。
「あ・・・ん・・・」
登りつめたばかりの身体は、お兄ちゃんの指の動きに酷く反応している。
「入れてもいい?」
お兄ちゃんが余りにも真剣な顔で聞くので、何だかとても恥ずかしい。
顔を見れなくて視線をそらせたまま頷くと、ため息が聞こえた。
「未来、僕を見てって言っただろ。ほら」
顎を指で捕らえられて、上を向けられる。
お兄ちゃんの目は怖いくらい真剣だった。
「ちゃんと、返事を聞かせて。僕は今からお前を抱くよ・・・いいんだね?」
少し掠れた声。愛しい人。
「うん、抱いて」
恥ずかしかったけど、答えないといけないって思った。
お兄ちゃんが真剣だったから。
「よかった。今更ダメって言われたらどうしようかと思ってたよ」
お兄ちゃんが安堵の笑みを漏らす。
「ダメって言ったらやめるの?」
「まさか、もう止まらない。ダメって言われても抱いてしまうさ」
「じゃあ、意味ないじゃない」
「あるよ、僕はお前の言葉で、お前の声で許して欲しかった
・・・愛してるよ、こんな事するなんてお兄ちゃん失格だな」
「いいよ、お兄ちゃん失格でも。大好きだもん」
下半身の入り口に、何かが当たる。
熱い何か・・・
ぐいっとお兄ちゃんに肩を掴まれて引き寄せられると、
そこに痛みが走った。
「いた・・・」
痛みから逃げようとしたけど、逃れられない。
ずぶずぶと体の中に何かが入ってくる。
痛くて涙が出てきた。
「ん・・くっ・・・キツイ・・・ね・・・ごめん、痛い思いをさせてる・・・」
お兄ちゃんの顔も何かを堪えるようにゆがんでた。
「大丈夫・・・平気・・・」
本当は息も出来ないくらいの圧迫があったけど、お兄ちゃんに抱かれてるって
思うと我慢できた。
「あ・・・ひゃあ」
ビチビチって何かが頭の奥で破けた音がして、今日一番の痛みに襲われた。
「あ・・・ああ・・・・」
上手く呼吸できないでいると、お兄ちゃんに抱きしめられた。
「全部入ったよ・・・これで、未来は僕のものだ・・・」
抱きしめられて囁かれると、不思議と痛みが和らいでいった。
安心できる。
「動いても平気?」
しばらくして問われた言葉に、私は無言で頷いた。
「あっ・・・」
ゆっくりと出し入れされるそれに、痛みはなかった。
あるのは内側を撫でられる妙な快楽。
徐々に早くなっていく動きが、さらに快楽を強くしていく。
「大丈夫?・・・痛かったら無理するんじゃないよ・・・」
耳元で囁かれて、熱い吐息が私を溶かす。
もう何も考えられない・・・・お兄ちゃんが好き。お兄ちゃんを愛してる。
私の口から、さっきよりも激しい声が漏れる。
お兄ちゃんはそれを承諾ととったのか、動きが激しくなる。
激しく打ち付けられて、水音が響く。
快楽が私を溶かし、お兄ちゃんとひとつにしてくれる。
「未来・・・僕の・・・未来・・・愛してる・・・」
切れ切れの愛の言葉は、私の身体に染み込んで、お兄ちゃんで満たしていく
「あい・・・してる・・・」
私もそう伝えたかった。ずっと、ずっと好きだった。
「もう・・・離さない・・・逃がさない・・・」
また頭が真っ白になっていく。
体が宙を浮いていくような感覚が襲ってくる。
「ああ・・・お兄ちゃん・・・・やぁ・・・」
「イッちゃいなさい・・・僕も・・・もう限界だ」
体が溶ける・・・・ふわふわと・・・
そして、私の中のお兄ちゃんが激しく脈打った。




目が覚めたら、お兄ちゃんの腕の中に居た。
私の身体は、すっぽりとお兄ちゃんに抱きすくめられている。
2人とも何も着てなくて、肌と肌が触れ合ってて気持ちいい。
私、お兄ちゃんと結ばれたんだ。
お兄ちゃんのものになったんだ。
「おはよう。大丈夫?」
「おは・・・よう・・・」
恥ずかしくてまともに顔がみれない。
「こぉら、顔見せなさい」
顔が擦り寄ってきて、頬と頬があたる。
すごく近くにお兄ちゃんの目がある。
「愛してるよ。未来。もう離さない」
「うん、お兄ちゃん。大好き」
お兄ちゃんの優しい瞳に、私が映ってる。
お兄ちゃんは、私を一人の女の子として愛してくれる。
私、幸せだね。
お兄ちゃん・・・大好き

                                           
 【了】
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◆◆◆◆◆◆◆◆一言◆◆◆◆◆◆◆◆

ギャフン・・・今までで最長
そして、半分をエロで使った・・・(死
自分で書いてて思ったよ、もうお腹いっぱい
勘弁してくれぇ!!と(涙
エロは書きたかった・・・それは認めよう
が!!こんなに長くなるとは・・・
短くしようと推敲しようにも、私は推敲が下手
どうしようもないので、このままUP(笑)
ごめんなさい、私のエロなんてこんなもん・・・(涙
ああ、艶のあるエロが書きたいなぁ
しかも短く!(><)
まあ、ね・・・でもね
お兄ちゃんも未来ちゃんも幸せになれてよかったよ
うん・・・はあ・・・疲れた・・・
今までで一番難産だったよ(号泣






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