立花和希 堂本広 篠原達也



Web拍手ありがとうシリーズ第一弾
「ピアス」シリーズ


立花和希の場合



「ピアスを開けるの?未来が?」
「うん、ダメかな?」
「いいんじゃない。でもどうして?」
可愛い妹、もとい恋人は、僕の言葉に顔を真っ赤にした。
「秘密」
「なに?僕にいえないこと?」
ピアスを開けるのに、何故真っ赤になるのかわからない。
でもピアスか・・・
未来もそんなもの開ける年になったのかと思うと
何だか自分が年寄りっぽく感じるなぁ
恋人になったとはいえ、未だ保護者気分が抜けない。
「未来?」
「・・・笑わない?」
「ん〜内容によっては笑うかも」
僕は意地の悪い顔で笑っていると思う。
まったく、未来は苛めがいがあって可愛い。
「ううううーーーじゃあ言わない」
「だーめ、言いなさい。お兄ちゃんの言うことが訊けないの?」
そういって未来の頬にキスをした。
「未来、教えてよ」
耳元で囁く。
こうすると未来は僕に逆らえない。
「・・・少しは大人っぽくなるかと思ったの・・・」
「は?」
「だってーーーお兄ちゃん6つも年上で大人だし!
この間会ったお兄ちゃんの友達の女の人も開けてたんだもん!」
「そ、そんなことで・・・・」
「あーーーやっぱ笑った!!お兄ちゃんのばかぁ!!」
薫にやきもちを焼いていたのか
本当に可愛い。
ついついおかしくて、噴出してしまった僕に
未来は怒って背を向けた。
「ごめんごめん、お前は別に大人っぽくならなくてもいいんだ」
「子供だってばかにしてる」
拗ねた未来の顎に手を当てて、上を向かせキスをした。
深い深いキスを
「子供にはこんな事しない。ピアスを開けようと開けまいと
お前のことを愛しているよ」


END






Web拍手ありがとうシリーズ第一弾
「ピアス」シリーズ



堂本広の場合


これほど可愛くて、これほど邪魔なものは無い
と、俺は思う。
未来は耳と胸が弱いのに・・・
あ〜邪魔だ邪魔だ。
この間なんて、それで唇を傷つけちまった。
まあ、未来にはバレナイようにしたけどな。
Hするたびに、外させるのはなんだしなぁ
「なあ、未来。お前ってピアス好きなのか?」
「うん、どうして?」
無邪気な笑顔で未来はいう。
お前さんの方が可愛いですよ。ええ
っつか、ピアスなんて付けなくても
十分俺は、お前にメロメロだっつーの。
「少しでも可愛くしたいの」
「そんなもんか?」
「・・・彼女は可愛いほうがいいでしょ?」
真っ赤な顔で上目遣い。
卑怯だ。
こんな可愛い顔で、こんな可愛いこと言われたら
俺は何にも言えなくなるって。
「まあ、お前は何もつけなくても可愛いけどな」
邪魔だけど、可愛いもの。
ピアスってそういうものなのかね。
俺は、ピアスなんかよりも可愛らしい唇にキスをした。
とりあえず、今後の目標は
うまくピアスを避けつつ、未来を可愛がる。
と、心に誓った日でした。 

END






Web拍手ありがとうシリーズ第一弾
「ピアス」シリーズ


篠原達也の場合



「未来には、これが似合うよ」
それは偶然だった。
大学の帰り道、一軒の雑貨屋の前でピアスを見ている彼女を見つけた。
気づかれないように、そっと足音を忍ばせて
真後ろにたって、耳元で囁く。
「し、篠原くん!びっくりした」
予想通りの反応をしてくれた未来に、ぼくは微笑んだ。
相変わらず擦れてないというか、単純というか。
まあ、そんなところも気に入っているんだけど。
「これ、似合うと思うな」
店先に並べてあったピアスの中から、ひとつを手に取る。
細長いチェーンの下のほうに、水色のティアドロップ型の石が付いている。
きっと彼女の動きに合わせて、可愛く揺れるだろう。
「水色かー確かに今から夏だしね。可愛いかも」
未来は満面の笑顔でそれを受け取った。
「ああでも・・・やっぱりやめた方がいいか」
ふっと思い出すのは、未来を抱く時のこと。
「なんで?」
「邪魔だから」
「なんで邪魔なの?」
「・・・わからない?」
ぼくの言葉に、未来は首をかしげる。
どうやら実地で教えてほしいらしい。
ちょっとした悪戯心が頭をもたげる。
未来の手からピアスを取り戻して、反対の手で頬に触れながら髪を上げた。
そして、ピアスを耳にあてる。
「ほら、こんなに大きいと、未来の耳にふれられない」
耳元で囁くと、未来は顔を真っ赤にして俯いた。
「もーーえっち!」
小声で抗議するが、それは余計にぼくの加虐心を刺激する。
「こんなぼくは嫌い?」
わざと吐息を耳に掠らせながらしゃべると、未来の身体がぴくんと震えた。
「そ・・・そんな事ないけど・・・」
恥ずかしいのか、感じてしまったのか
未来はさらに顔を伏せる。
「やっぱり、これ買おう」
ひとつ面白い考えが浮かんだので、ぼくはピアスを持って中へ向う。
「な、どうしたの?」
「これ、つけてよ。それで、君がぼくを欲しくなった時にぼくの前で外して。
それが合図」
後を付いて来た未来の腰に手を回して、耳元で囁いた。
「えええええーーーー!!」
告げられた内容に、真っ赤になりながら抗議の声を上げるが
そんなさまも可愛いものだった。
「君が望むなら、ぼくはなんでもしてあげるって言っただろ?
約束・・・だよ」
ぼくの恥かしがり屋の恋人は、また真っ赤になって俯いてしまった。

END

>>第二弾

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